ちょっと厳しいコミュニケーション論②

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Q:「コミュニケーション力と礼儀の関係性」についてお聞きしたいんですが。

A:コミュニケーション力の根本が礼儀です。
コミュニケーション力っていうと学校で「プレゼン」をさせたり、「自分の意見」を述べさせたりしてますけど、大きな間違いだと思います。

Q:コミュニケーションを「プレゼン」や「意見の主張」と捉えるのは間違いであると・・・。

A:順番が違います。まずは礼儀です。
よく考えてください。
家庭や学校で礼儀を身につけさせずに、自分の意見を言うように育てられますよね?

Q:「自分の意見を言えるのが大事」って育てられますね。

A:そうやって育った子供が社会人になったら、どうなると思いますか?
礼儀がなってないくせに、自分の意見を主張する新人です。

Q:なるほど。そういう若手が増えてきたと聞いたことがあります。

A:そういう人間って社内で嫌われるでしょ?

Q:まあやりにくくなるでしょうね・・・。

A:そういう若手に限って「上司が分かってくれない」とか「会社の人間関係が」とか言って辞めていくそうですよ。

Q:本当によくありがちな話ですよね。

A:意見を主張させる授業が悪いって言ってるんじゃないですよ。
そういう授業をするなら、まずは礼儀を教えるのが先だっていう話です。
そうしないと生徒に「人間として悪い癖」がついてしまいます。
礼儀知らずの主張屋です。

Q:そう考えると、知らず知らず「礼儀知らずの主張屋」を育てている親御さんとか学校の先生って多いのかもしれませんね。

A:みんな「善意」でそうしていると思います。
今は礼儀とかうるさいことは言わないのが「良い親」「良い先生」で、子供の意見を言わせて、それを尊重するのが善でしょ。

Q:「良い親」や「良い先生」と世間で言われている人達が
「良い教育」をしたら、「礼儀知らずの主張屋」を育ててしまう可能性もあるってことですね。
なんだか怖いですね。

A:今は時代が本当に悪いので、子供の教育も難しいと思います。

Q:コミュニケーションに話を戻しますと、私は「自分が話す」よりも「聴く」ことがコミュニケーションで大切だと思ってました。

A:カウンセリングやコーチングを学ばれた方は、そう言われますね。
確かに自分が話す訓練ばかりせずに、聴く訓練があってもいいかもしれません。
自分の意見をどう主張するかも大切ですが、相手の意見をどう聴くかも同じくらい大切にされていいと思います。

Q:最初に「コミュニケーション力の根本は礼儀だ」と言われましたが、詳しく聞かせてもらえますか?

A:礼儀って「余計な不幸」を防いでくれるものです。
人間のストレスってほとんど人間関係って言われているでしょ。
礼儀が身についている人間は、その多くを回避できます。

Q:えっ。それはちょっと意外な意見です。

A:人間関係が悪化してストレスになるきっかけって、いろんな人を見てきて、私の経験でも、礼儀ですよ。
根本は弁(わきま)えですね。
弁えがない場合に、相手を不快にさせます。

Q:えと言われると何だか難しそうに感じます。

A:もう完全に死語になってますもん!
簡単に言うと、弁えって「自分の立場を知る」ことです。
自分の立場が分かれば、相手に対する振る舞い方も分かります。

Q:「立場」ってどういうことですか?

A:親に対して「子」の立場とか。
先輩に対して「後輩」、でも下級生に対しては「先輩」とか。
上司に対して「部下」とかです。
それで立場が上の人間には、上の人間に対する接し方をしろってことです。

Q:今はみんな平等だという世の中ですもんね。

それも綺麗事だと思います。
人間としては平等かもしれませんが、組織って「立場」があって「役割分担」があるものなので、立場は当然平等じゃないですよ。

組織の立場をなくして平等にしたらどうなるかっていうと、今の学校みたいに滅茶苦茶になって、先生が自分の役割を果たせなくなります。

 

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