子供を成長させる人、成長させない人

10月の半ばを過ぎた頃から、一気に秋らしくなってきました。
みなさん風邪には気をつけましょう(‘ω’)ノ 

さて、今回の塾通信は「子供を成長させる人、成長させない人」です。

毎度のことながら、今回も世の風潮とは全く逆の内容をお伝えしますので、どのくらい「受け入れるか」or「受け入れないか」はお任せします(笑)


結論から言いますと、「子供を成長させる人」とは、子供に必要なことであれば「嫌なこと」や「厳しいこと」も言える人です。

逆に「子供を成長させない人」は、子供に「良いこと」しか言わない人です。

今の世間の風潮では「子供を褒めるだけの人」「優しいことしか言わない人」「嫌なことは言わない人」が評価されていますが、これは時代的にちょっと(かなり)おかしくなった今だけの話です。

教育の視点「良い人」か「優しい人」かではなく、「子供を成長させる人」か「成長させない人」か、あるいは「堕落させる人」かしかありません。

詳しく見ていきましょう。


職場では「いい人だけど部下を育てられない上司」っていますよね?

それが「優しいだけの上司」で、「部下を成長させる上司」は必ず部下の成長に必要な「嫌なこと」「厳しいこと」も言ってくれる上司です。

同様に、学校でも「良いことしか言わない先生=子供を成長させられない先生」というのは、教育の常識でした。

確かに以前は、学校に厳しい先生も多かったので、「優しいことだけ言う先生」にも役割がありましたが、多くの先生が「良いこと」しか言わなくなった今では、学校が子供を(精神的に)成長させる場ではなくなってきています

真の友人は、時には厳しい忠告もしてくれる友人ですし、家庭でも本当に愛情のある親は、子供の成長に必要な「嫌なこと」「厳しいこと」も毅然と言える親御さんではないでしょうか?


「三代目のボンボンが会社を潰す」とよく言われています。

御曹司として育てられ、周りの大人は「自分に心地よいことしか言わない」「何をやってもすぐ褒められる」「欲しい物はすぐに買ってもらえる」。

逆に「どんなわがままを言っても叱られない」。

そんな温室栽培をされた三代目が「会社を潰す」のは、まぁ当然ですよね?

私たちは今、そんな「三代目のボンボンを育てるような教育」を良い教育だと思い込んで、社会全体で子供にしているのではないでしょうか?


では、なぜ子供にとって「嫌なこと」「厳しいこと」を、親御さんは言う必要があるのでしょうか?
子育ての本質的な話をします。

それは子供が持って生まれた「本能」と、人間が築いた文明社会を生きるルール=「社会性」が反するからです。

子供は本能や自我のまま「自然にのびのび」行動したがりますが、社会性に反する「個性」は文明社会では認められません。

その「何が良くて何がダメなのか」「こういう時はこうしなきゃいけない」「こういう時はこうしちゃダメ」と行動原理を子供に教えることが、躾(しつけ)です。

子供は躾を嫌がりますが、それは躾が反本能、反自我だからです。


社会人としては通用しない「子供の悪い癖」を直してあげること。
将来子供が個性を発揮できるように、一人前の社会性を身につけさせること。

つまり子育ての土台(躾)のレベルでは、子供の本能や自我に反する「嫌なこと」「厳しいこと」が、「根本」となります。

本来の子育て論とは、子供にとって「反本能・反自我」である躾(心の教育)をどううまくやっていくかという話なのです。


一方で、土台の上の部分では「子供のやりたいことを追求させるのが良い」という考えがあります。

この「興味の追求」と「躾」は分けて考えないといけません

「興味の追求」は、「各家庭の教育方針」で好きにすればいい話ですが、「子供のやりたいようにさせる」を社会性のレベルにまで適用するのは間違いです。

今の教育の混乱は、「子供のやりたいようにさせるのが良い」を「興味の追求」に留まらず、社会性にまで広げてしまったのが大きな原因ではないでしょうか?


話を最初に戻しますと、「子供に良いことしか言わない人」は、本来抑えるべき子供の本能やエゴも「認めてしまう人」or「見て見ぬふりをする人」だと言えます。

つまり子供の悪い癖を直せず、子供を成長させられない人です。

一方「子供に必要な嫌なことや厳しいことも言える人」は、反本能・反自我である「社会性」を身につけさせ、「子供を成長させられる人」です。

そして本来、別の話である「躾」と「興味の追求」をごっちゃにして、国も専門家も学校も混乱しているのが「今」という時代ではないでしょうか?

さて、この混乱した時代の風潮は止まりそうにありません。
このまま時代に流されて生きるのか、流されず生きるのか。

どちらを選ぶかは・・・ (‘ω’)ノ

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