教育か、サービス業か

前回 「普通の親、普通の先生」で、「良い親」「良い先生」になろうとして、逆に「ダメな親」「ダメな先生」になっている人が多いのではないかと書きました。

「良い先生(と思われたい人)」は、子供に気に入られないといけないから、「子供の感情」が教育の「原理原則」となります。

軸が自分にある人間を「教育者」と言い、軸がお客様にある人間を「サービス業従事者」と言います。

「教育」と「サービス業」は似て非なるものですが、現代は教育関係者の多くが「サービスマン化」しているように思います。

そして、その教育者の「総サービスマン化現象」が、「教育」がここまで崩れた最も大きな原因なのかもしれません。


教育関係者の方たちは、自分のやっている仕事をどう捉えているのでしょうか。

「教育」なのか「サービス業」なのか。
どう捉えようが、それはその人の自由です。

もし自分の仕事を「サービス業」と捉えているなら、生徒はお客様です。

お客様には粗相(そそう)のないよう、不快にさせぬよう、丁寧に接する必要があります。

お客様が少々時間に遅れようが、態度が悪かろうが、お客様を叱るのは厳禁です。

生徒相手にそういう「サービス業」がしたいのであれば、それはその人の自由です。


教育か、サービス業か

一方、自分の仕事を「教育」と捉えている人でも、実体は「サービス業」というケースは多いと思います。

その仕事が「教育」なのか「サービス業」なのか、見分け方は簡単です。


誰が先に挨拶をするかです。

 

サービス業では、お客様に対し従業員が挨拶をしなければなりません。

そして、お客様が従業員に挨拶を返すかどうかは、お客様の自由です。

そういう「お客様のような生徒」が通う学校や塾は多いと思いますが、教育の基本のキである「正しい挨拶」の指導さえできないのなら、その仕事は「教育」ではなく「サービス業」です。


言葉で返事をする

コンビニやファミレスなどでは、従業員は必ず「言葉」で会話をしなければなりませんが、お客様が「言葉」を発するかどうかは、そのお客様の自由です。

先生が言葉で説明しているのに、生徒が頷いたり首を傾げるだけなら、その先生は教育者ではなく「サービス業従事者」です。

自分のしている仕事は「教育」で自分は「教育者」だと言うのなら、挨拶や「はい」という返事くらい生徒にさせないといけません。


教育サービス業!?

学習塾は「教育サービス業」というべき特殊な業界だ。
だから、塾は「そこまでしなくていい」という言い訳もできますが、これから崩壊した日本の教育を立て直すのは、我々学習塾に携わる人間たちだと私は思います。

だからこそ「サービス業」に逃げずに、堂々と「教育」の道を行くべきではないでしょうか。